翻訳対応言語

普通の人は、世界中でいまだに話されている言語数について、まったく知らないかもしれません。 数百の言語がある、と広く信じられています。 しかし、時が経つにつれてその数は増え続けています。 ブリタニカ国際大百科事典の第11版(1911年刊)で、その数は約1,000と推定されていました。 20世紀の期間中に、その数は増え続けました。主な理由は、これまで知られていなかった、または探索が不十分だった地域で話されている言語に対する理解が深まったことです。

プロテスタントの宣教師は、世界の言語を記録した開拓者に挙げられます。国際SIL(SILインターナショナル)などの機関を創設した宣教師たちは、クリスチャン向けの聖書翻訳に関心を持ち、2009年の時点では、2,508の言語で聖書が入手できるようになっています。

同年、世界の言語を最も広範囲に網羅していると考えられているエスノローグ(Ethnologue)は、6,909の言語が独立して使用されていると記録しています。 このカタログはSILインターナショナルが出版したもので、エスノローグの最新カタログ(第17版、2014年刊)には、7,106の生きた言語が掲載されています。

エスノローグの最新統計では、次のアフリカ、アメリカ、アジア、ヨーロッパ、太平洋地域で、7,106の生きた言語があると予測しています。

現在、生きた言語の数は七千以上となっていますが、2014年にエスノローグが掲載した消えゆく言語の数は915となっています。

紀元前2千年紀の間に消滅した言語数はたったの七つでした。 千年ごとに死語の数は上下してきました。 死語の数が最も多かったのは20世紀中で、合計110の言語が消滅したと宣言されました。

二十一世紀には、すでに12の言語が死語になりました。直近では、2014年の2月に最後のネイティブスピーカーであるヘーゼル・サンプソンが亡くなり、Klallam語が消滅しました。 Klallam語はファン・デ・フカ海峡の先住民族であるKlallamが話していた伝統的な言語でした。この海峡はワシントン州のオリンピック半島とブリティッシュコロンビア州のバンクーバー島のビーチャーベイの間にあります。

上記のリストは、2014年時点のもので、世界中で話す人の数が多い上位20の言語を表示しています。さらに、世界中で最も影響力のある言語のリストもあります。これは商業やビジネス、また社会政治や経済界で使用される言語のことです。

世界で最も広く話されている言語のリストで、英語がトップなのは驚くには当たらないでしょう。英語の次はフランス語です。フランス語は25か国で公用語としての地位を得ています。第三位はスペイン語で、すぐ後ろにアラビア語が付けています。 驚くべきことに、世界的に影響力のある言語リストで標準中国語は五位にすぎません。 その理由は、アジア以外の地域で標準中国語の使用頻度はそれほど高くないからです。 ロシア語、ポルトガル語、ドイツ語、日本語、ヒンディー語/ウルドゥー語が六位から十位を占めています。

文章形式の言語がいくつあるのかは不明です。世界中で使われている手話の数が明確でないのと同じです。正解に最も近い推定数は300でしょう。

世界共通の手話はなく、言語や方言と同様、手話にも種類がいくつかあります。 一つの国に、いくつかの異なる手話が存在する場合もあります。 例えばスペインには、カタルーニャ手話とスペイン手話があります。同様に、ベルギーでも、フランドル手話とベルギー・フランス語手話という二つの手話が使われています。さらに、同じ話し言葉を使っている国々でも、手話は同じではない場合があります。 異なる手話が存在することと、話し言葉の発展の歴史は密接につながっています。

いくつかの言語は語族を構成しています。これはグループ全体の各言語の遺伝的関係を示しています。 語族の中で最もよく知られているのは、インド・ヨーロッパ語族で、関連する言語は約200あります。 英語もこのグループに属しています。 世界には140以上の語族と、約75の孤立した言語、またまだ分類されていない47以上の言語があります。

世界の言語分布は均一ではありません。世界のある地域は、他の地域より多様性が豊富です。 2014年のエスノローグカタログによれば、世界中で使われている言語のうち、アジアでは2,303の言語が話されていますが、ヨーロッパには285の言語しかありません。 パプアニューギニアは、人口390万人の小さな国ですが、最新の記録によると、その国民は約40から50の語族に属する838もの言語を話しています。

フランスは長年、自国の言語を統一するキャンペーンを行ってきました。しかしフランスではいまだにプロヴァンス語、ガスコーニュ語、ピカルディ語などのロマンス語系の言語を含む多くの言語が話されています。 さらに、アルザスで話されるバスク語やアレマン語、ケルト諸語のブルターニュ語もその数に入っています。 もちろん標準フランス語もあります。

多言語を使用しているのは、これらの地域だけではありません。 北米の米国には、スペインよりもスペイン語を話す人が多く暮らしています。他の移民たちの言語の種類は言うまでもありません。さらに、アジア系やヨーロッパ系の人が来るよりはるか昔から、アメリカ大陸ではすでに約300もの言語が話されていました。そのうち半数近くの言語はすでに消滅していますが、現在でも北米では約165の先住民族の言語がまだある程度、話されています。

スペイン語、標準中国語、英語などのメジャーな言語の他にも、固有の語族に属する言語がたくさんあります。多様性の程度が言語数を確定する上で問題となっています。 しかし確実なことが一つあります。世界中で多くの言語が急速に消滅しつつあるということです。

言語が消滅する主な理由の一つは、メジャーな言語が世界の別の地域を侵食していることです。 若い世代がある言語を学ばなくなると、その消滅は避けられません。そして特定の言語を話す最後の人がこの地球からいなくなると、その言語も永久に失われてしまいます。

世界の言語の25％は、話す人が千人に満たない言語です。言語学者は二十二世紀中に、世界の言語の約半分が消滅すると予測しています。 専門家はこれほど多くの言語が失われることを懸念しており、言語学者の間でも多くの議論が交わされています。 言語の消滅は、人が亡くなるのと同じく自然なプロセスだと主張する人もいます。自然と死語になる言語もあれば、ヘブライ語のように新しく生まれる言語もあります。経済的により影響力のある言語のために、ある言語を捨て去ることは賢明なのか、と疑問を呈する人もいます。

ヘブライ語は実際に消滅したわけではありません。ヘブライ語はかなり前から、ユダヤ系の人々の主要な言語ではなくなりましたが、学者たちは今でも言語を分析し、学習しているので、言語は生き続けています。 しかしながら、特定の言語を話す人がいなくなると、消滅は避けられず、取り返しのつかない状況になります。

同様に、経済的な主張にも議論の余地があります。 ある言語がコミュニティにとってより利益のある言語に取って代わられる場合、実際には言語の消滅ではなく、多言語化が進むこともあります。それにより言語の多様化が促進されます。言語の消滅とはまったく違うシナリオです。

引用：

統計の参照資料: Lewis, M. Paul, Gary F. Simons, Charles D. Fennig (eds.). 2014. エスノローグ：世界の言語、第七版。 テキサス州ダラス：SILインターナショナル。 オンライン版: http://www.ethnologue.com.

他の参考文献：

語族 エスノローグ世界版 Wiki – 世界の言語 絶滅危惧言語プロジェクト アメリカ言語学会 Klallam語言語の話し手による言語 最も影響力のある言語 Wiki – 言語の消滅 ヨーロッパ言語の日